2005.11.06 (Sun)

◆昼下がりの×××【1】(一哉×むぎSS)


「あれえ、ここにもいない」
ここは祥慶学園。今は、美術の授業中。
一応センセイであるあたしのモットーは自由な教育! 
ということで、今日もまた生徒達には校内で写生をさせていた。
のだけど…あちこち見回っていて、麻生君の姿が見えないのに気がついたのだ。
まあ、よくあることなんだけどさ。
でも、おっかしいなあ…たいてい、芝生広場で昼寝してるのになー。
「もー、どこ行ったのよー」
あと、考えられるのは…そうだ、あそこに行ってみよう。
思いつくが早いか、あたしはくるりと踵を返した。
【More・・・】


それにしても祥慶学園の施設ってホント桁外れにすごい。
このスポーツジムだって、そんじょそこらのフィットネスクラブが叶わないくらいの規模なんだもん。
それなのに、ろくに利用者がいないなんてホントもったいないなあ。
そんなことを考えながら中へ入っていくと、思ったとおり、マシンを動かす人影がひとつ。
「…コラッ、このサボリ魔!」
怒鳴りつけて、一瞬後。あたしは息を呑んだ。
なぜなら…不機嫌そうに振り向いたその顔は、あたしの恋人、御堂一哉その人だったから。

「いきなり人をサボリ魔呼ばわりとは…名誉毀損もはなはだしいですよ、鈴原センセ」
「ち、ちがうの、これは間違えて…! えっと、でも、一哉くん、授業は?」
「休講になったんだよ。だから、空いた時間を有効利用していた。何か不都合でも?」
「う…」
何も言い返せない。
だってだってだって、まさか一哉くんがこんな所にいるなんて思わなかったし…。
「デスクワークばかりじゃ体がなまって仕方ないからな。なるべく時間を見つけてここに来るようにしてるんだ」
「へえ…。そうだったんだ」
彼のスポーツウェア姿が珍しくて、つい見入ってしまう。

汗でTシャツが張り付いて、ほどよく筋肉がついた綺麗な胸板の形がわかる。
前髪を鬱陶しそうにかき上げる仕草もなんだか色っぽくて、思わずどきりと胸が高鳴った。
だって、一哉くんが汗かいてるところなんて、こんな時間に見たことなかったから…。
なんて考えながらぼおっとしていたら、いつの間にか一哉くんの唇は意地悪そうな笑みを刻んでいた。
ヤバイ…この笑い方は、あたしをからかうと決めた時のものだ。
それなりに長いつき合いだから、もうわかりたくなくてもわかってしまう。
「……おまえ、なんか変なこと考えてるだろ」
一哉くんは、じわりとあたしに近づきながら言う。思わずこっちは一歩後ずさる。
「なっ…へっ…!」
ああもうあたしのバカ! こんな返事じゃ、うんって言ってるのと同じだよ!

テーマ : 乙女ゲー - ジャンル : ゲーム

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